5131771 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

札幌宮丘公園野鳥日記

札幌宮丘公園野鳥日記

チゴハヤブサ

「チゴハヤブサ」【Falcosubbuteo】
ワシタカ目ハヤブサ科 稚児隼 英名=Hobby

もっと詳しくはこちらを→「チゴハヤブサ」



体長♂=32~35センチ、♀=33センチ~37センチ

翼開長=♂72センチから81センチ、♀=78センチ~84センチ

体重=130~340g

親

                     ↑(野鳥大好き撮影、以下雛・♂♀等数枚)



チゴハヤブサという猛禽の仲間の鳥が、園内でカラスが作った巣を再利用して3年前繁殖し,2羽巣立ち、その時私はそれを彼らに負担を掛けないように遠くから双眼鏡で観察していました。しかしチゴハヤブサは、私の身近で繁殖しているからといって、日本中のあちこちで多数繁殖しているわけではなく、北海道や東北に夏になると越冬地である東南アジアなどから繁殖に渡って来て、森林奥深くでは巣を構えず、大都市の公園や、小さい雑木林などで繁殖する、例年札幌で13番程しか繁殖していない野鳥です。



このチゴハヤブサはその名の通りハヤブサより体が小さく鳩ぐらいなので、まるでお稚児さんのよう、と言う意味でそんな名を持ちます。彼等はやはり、猛禽の仲間、餌である鳥を捕まえるためにツバメの様に細く三日月型の翼を持ち(遠目にはアマツバメにも似)、鋭く早く飛びます。

  ↑ 関口健一様撮影画像

しかし秋、彼らを見ていると、餌は小鳥では無く、トンボが多いのです。これがおかしいのですが、彼らを見ていると素早く飛翔しながら、赤トンボをひらりと舞うかの様にして盛んに捕まえ、飛びながらそれを足に持って羽をちぎり、トンボを人参状態にしてムシャムシャ食べるものですから、彼らを双眼鏡で見ていると、空中にトンボの羽がパッパッと飛ぶ様子が見え、なかなか面白いのです。


チゴペア




また彼らはトンボばかりを食べているわけではありません。スズメ、メジロなどの小鳥、私はゴジュウカラという鳥を食べているのを観察したり、また、彼らの巣の近くで伝書バトの死体を発見しました。つまり彼らは小鳥から、そんな自分の体ほどもある鳥までを捕まえて、餌にしているわけです。

チゴ雛2




さて、鷲や鷹の仲間は雛を育てる時、♂が狩りをし、♀に与えて、♀が雛に与えますが、私がこのチゴハヤブサを観察している時も、雛が小さいうちは♀が卵を抱卵し、♂が餌を取ってきては与えるということをしていました。また雛が大きくなってからは、♂♀で巣近くに居ましたが、圧倒的に巣近くに♀が居る事が多い様に見えました。
 


で、♂が捕獲し、足に持って運んで来た餌を、♀どうやって受け渡すかといいますと、それはなんと空中でその受け渡しをする事もあるのです。きっと合図なのでしょう、大抵そう言う時はキキキキキーという特徴的な声を彼らは出して、つまり餌取ってきたよー、と言っているかもしれませんが、そんな声を出し、2羽で飛翔しだします。そして、何度か飛び交い交差する様子を見せ、ある時交差した時、♂は上、♀は下で、♀が瞬時足を空に向け、つまりひっくり返る様にして餌を受け渡し、♀が雛に持って行くのです。

チゴペア




また♀もその餌をそのまま雛に上げに行くのではなく、きっと巣の中で餌を解体すると血や羽で巣の中が汚れるからでしょうか、巣から少し離れた場所できちんと大体の羽をムシって食べやすい形にしてから、雛に持って行くのです。またその餌をどの雛にも均一にキチンと分けて与えて居るようで、とても見ていてほほえましいです。

チゴひな1




さて、彼らの2羽の雛は見る見るうちに大きくなりました。孵化してから20日間程は白い綿毛をはやして縫いぐるみ見たいだったんですが、21日目位から目の回りがだんだん黒くなり、お腹が親の様に茶色い色になり、ある時は前の日胸の前が白い綿毛が付いていたのに、次の日見に行くと親と同じく縦の斑が入っていたりと、4日間程でその綿毛は頭以外殆ど取れてしまったのです。



私、その綿毛は自然に抜けるのかな、と思っていましたが、そうではないのです。その様にたったで4日程で変わるのは、彼らがその綿毛を毛繕いしながら盛んに抜いているのです。で、彼らの毛の抜け替わりは、最後は頭のてっぺん、そこはいくらなんでも自分ではちぎれないからでしょう、だけに産毛が残って、最後は尾の長さ以外、親と同じ大きさ、親と胸の色以外違わない体色になっていきました。



この様に大都会の真ん中ででもこんな猛禽の仲間が巣を構えて、生活しているのだ。彼らの巣はカラスの巣のリサイクルなので、カラスの巣だと言って目の敵にせず、そう言うカラスの巣を再利用する鳥も居ると、考えて戴きたいものだと思います。



なお、札幌にはチゴハヤブサの会という会があり、その地道な・勢力的な活動には頭がいつも下がります。



2004,8/8

さて、園内ではないのですが、公園少し近くに居るチゴ雛ちゃん達。

4日前はこんな姿だったのに↓









昨日、もうこんな姿に。






もっと詳しくはこちらを→「チゴハヤブサ」



© Rakuten Group, Inc.